有機化学の初めのほうで、立体化学を学ぶかと思います。私はこの分野が比較的苦手でした。
というのも、立体を頭で想像するのが難しいと感じていたからです。
本記事では、分子の形をイメージするのが苦手な方に向けて、無料で超簡単に分子モデルを見るor作る方法を紹介します。
方法1. MolView
おそらくもっとも簡単なのは、MolViewを使うことでしょう。
サイトのリンクは以下の通りです。
MolViewは、ブラウザから化学種の立体構造を閲覧できるサイトです。
使い方は簡単。左上の検索欄に化学種の名前を英語で入力して検索するだけ。
例えば、cyclohexaneと検索すると、いす型シクロヘキサンの分子モデルが右側に現れます。
また、右側の構造はクリックしながらカーソルを動かすことで、様々な角度から構造を確認することができます。
ちなみに、こんな感じでサイト上に埋め込むこともできます(ドラッグ等で動かせます)。
方法2. PubChem
2つ目に、PubChemを紹介します。
PubChemは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が提供する無料の化学情報データベースです。
サイトリンクは以下の通りです。
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov
サイトにアクセスしたら、検索欄に化合物名(英語)を入れて検索し、該当の化合物をクリックします。
その後、下のほうにスクロールすると、3D Conformerという枠があり、そこに3Dモデルがあります。
方法3: Winmostar(おすすめ)
上の2つを使っているうちに、自分で構造を作りたいと思うようになるかと思います。
というのは、上記2つで見られるモデルは最安定の構造だけだからです。
例えば、シクロヘキサンと検索して見られるモデルはいす形だけです。
そこで、Winmostarをご紹介します。
Winmostarは、量子化学計算、分子動力学計算、第一原理計算などのシミュレーション環境を提供する統合GUIソフトウェアです。
こちらはMolViewやPubChemと違って日本語に対応しています(というより日本製のソフトです)。
ダウンロード方法や使い方はホームページやYouTubeにかなり詳しく載ってあるので、ご参照ください。
また、有機化学などで立体化学を学びたいだけであれば、モデルの作り方だけ学べばよいでしょう。
以下の公式YouTube動画をご覧ください。
所属の大学によっては、Winmostarと包括契約している場合があり、有料プランの機能が使える場合があります。ぜひ調べてみてください。
また、学生が無料で使える学生版が用意されています。
Winmostarは非常に使いやすいソフトなので、計算化学を学ぶいい機会になると思います。